店主が小学6年生の時の話。
クラスの担任は若い男の教師だった。
熱心な先生で、不登校の子供の家へ、クラスのみんなと一緒に迎えに行ったこともあった。

ある日算数の文章問題を読んでいた時に、「みちこさん」という名前の女の子が出てきた。


「これは、天皇の奥さんの名前だ。教科書を作る会社が文部省に採用されるために、政府の機嫌を取ったんだろうな」


こう担任は言った。

何しろ35年前の事なので正確には覚えていないが、概ねこういう内容の発言だった。
家に帰った店主少年は母親にこう言った。
「みちこさんはあかんのやぞ。せんせいがそう言っとった」
小学校の時の記憶などそんなにないのにも係らず、この時のやり取りはかなり鮮明に覚えている。



数年前、中学3年生の時のクラス会があった。
当時担任だった教師に、たまたま話の流れでその事を話したら、
「ホントか?それはホントか?」とかなりしつこく確認してから、「どうして奴はそんな事を言ったんだろう・・」と言ったきり黙ってしまった。
(二人は知り合いなのだ)



思想の自由は誰にでも認められている。
しかし、その考えを人に押し付けることまでは認められてはいない。
ましてや、何も知らない小学生にそれも授業中に言う内容ではない。

時は流れて、こういった事例は「例の判決後」いろんなところに影響を与え、形を変えながらますます増えるのではないかと店主は心配している。
実際に自分が体験してきただけに、想像すると末恐ろしい問題だ。

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