二人のサンキョウ
二人のサンキョウ
もともと上方(関西)の落語は好きではなかった。
その大きな原因は桂枝雀にあった。店主が若い頃にあった落語ブームでは、TVや寄席を席巻していたのが彼だった。
自分はあのオーバーアクションがどうしても好きになれなかった。
関東の落語と比較すると、関西はどうしてもサービス旺盛になりがちな傾向にある。
噺家は、何とかして「客を笑わしてやろう」とするその意気込みが強すぎて空回りしやすい。
つまらない残念な高座になってしまう噺家は、若手だけではなくて実は年配者にも多い。(違う意味で残念なのは東にも多いが)

しかし、この間初めて聞いた上方の笑福亭三喬には驚いた。
マクラの冒頭からすでに面白いのだ。
噺家が楽しんで喋っているのがすごくよく分かる。それでいて押し付けがましさは微塵もない。
上手い落語家は「話し方」から違うということがよく分かる。
どうしてもっと早く出会わなかったのだろう、そのことが残念でならない。
初めて聞いてから続けて三席聞いたが、どの話も素晴らしい出来だった。
必ずや上方落語を背負って立つ大看板になるだろう。

東の「柳家さん喬」
西の「笑福亭三喬」

偶然か?それとも必然か?
東西の「サンキョウ」が日本の落語会を引っ張っていく。

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