スト決行という歴史的な事実

何億円も稼いでいる選手達が、庶民感情で考えてはたして「労働者」なのか？
という議論はとりあえず横に置いておく。

ファンの大部分が選手会を応援しているという事実は、経営者側の傲慢さに対する判官贔屓が大部分を占めている。
弱者に対して応援するのは人として当然理解できる行動だ。
しかし、プロ野球は国民的娯楽でもあるが興行でもある。
そこには経営という一番重要な問題を抱えている。

通常、会社の合併・統合計画に対して、従業員の雇用が無くなるからといって反対のストライキをするだろうか？
今回はこのケースに当てはまるとオーナー達は考えた。
彼らが選手会に耳を貸さない一番の理由がこれだ。

この考え方は経営者としては間違ってはいないが、プロ野球のオーナーとしては正解ではない。
プロ野球と会社経営を一緒に考えてしまっている事が、すでに勘違いをしている。
球団経営というのはその会社だけの問題ではない。
社会的な大きな問題であることに経営者たちはまったく気が付いていない。

これに対抗する術が無かった選手会は、最後に伝家の宝刀を抜いてしまった。
残念である。

労使の溝は深い。
両者ともこれからますます泥沼へ突き進んでいくだろう。
選手会には、相手を倒すために抜いた刀で自分達を傷つけないよう気をつけて欲しいと切に願っている。

最後に。
いい悪いは別にして古田はたいした男だよ、見直した。